8月 21, 2011
伊坂幸太郎原作「ポテチ」濱田岳主演で映画化&斉藤和義が再び劇中音楽担当
伊坂幸太郎の小説「ポテチ」が、濱田岳主演で映画化することが決定。この劇中音楽を斉藤和義が担当することが明らかになりました。
「ポテチ」は2007年に発表された短編集「フィッシュストーリー」に所収されている作品で、仙台を舞台に、同じ年、同じ日、同じ病院で生まれた2人の男性が、数奇な運命をたどりながら強い絆で結ばれていくストーリー。
伊坂幸太郎、斉藤和義ファンとしてはもちろんうれしいニュース。
フジロックの一曲目がSummer Daysだったとき、おっ!伊坂幸太郎!フィッシュストーリー!って思いましたし。
フィッシュストーリーの4本ある短編集ではポテチが一番好きなので、今回も楽しみ。
以下、詳細です。
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監督は、伊坂の小説を原作とした映画「アヒルと鴨のコインロッカー」や「ゴールデンスランバー」でメガホンを取った中村義洋が担当している。
今作の制作は、3月11日に発生した東日本大震災を受けて急遽決定。東北地方が被災地となった現状を目の当たりにした伊坂と中村が、「今までの恩返しとして、現在の仙台の姿を通して皆に勇気を与えて、復興の後押しをしたい」との思いから映画化プロジェクトを立ち上げた。
音楽を担当することになった斉藤は、過去に「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」にも劇中歌や劇伴で参加。今回もまた味わいのあるサウンドで映画の世界を彩ってくれそうだ。
なお、映画のクランクインは8月下旬、クランクアップは9月中旬の予定。2012年春に約60分の中編映画として全国公開される。
斉藤和義コメント
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「フィッシュストーリー」「ゴールデンスランバー」に引き続き、中村監督、伊坂さん、濱田岳くん他、スタッフの方とまた仕事がご一緒できること、とても光栄です。
このチームとの仕事は毎回「仕事」を忘れて修学旅行に行くような雰囲気なので、今回もとても楽しみにしています。
仙台の“今”を監督がきっと素敵な画に撮ってくれると思います。それに負けないようがんばります。
伊坂幸太郎コメント
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最近は、自分の小説が映画化されることに抵抗があったのですが、ただ、3月の大きな地震のあと、そういったこだわりが些末なことに感じられた瞬間がありました。
不安な日々を過ごしている中、「中村さんが映画化した『ポテチ』を観たかったな」と思ったりもしました。
数カ月前、僕のほうから映画化のことを相談した際、中村さんからは、「いいですね。やりましょう」とすぐに返事があったものの、まさかこんなに早く撮影に入るとは想像もしておらず、驚いています。
きっと、多くの人たちが損得を抜きにして行動してくれた結果ではないかな、と想像します。
曲を斉藤和義さんが作ってくれると分かった時には、本当に嬉しかったですし、キャストを少し聞いただけでも、胸が躍りました。完成が楽しみです。
濱田岳コメント
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中村監督をはじめ、最高の仲間たちとまた作品を作れるのかと思うと嬉しくなりました。
仙台という街は、作品でお世話になり、僕にとっては思い出深い場所なので、またお伺い出来ることを嬉しく思っています。
またいつか皆さんが映画を観られる状況になったら、1分でも、1秒でも、あの日の事から離れて、心の底から楽しんでもらえる作品にしたいです。
七夕祭りや花火大会、楽天イーグルスの始球式、光のページェントの点灯式など仕事がきっかけではありますが、沢山のお祭りごとにも参加させていただき、仙台には楽しい思い出がいっぱいです。
その仙台で、仙台の皆さんと一緒に良い作品を作り、またお祭りで一緒に楽しめたらと思います。
中村義洋コメント
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「ポテチ」は以前から映画化したいと思っていた作品でしたが、伊坂さんとしても、自分としても、「ゴールデンスランバー」までで映画化はやり切った感もあり、またいつか一緒にやりたいけれど当分のあいだ映像化は見合わせておこう、というのが2人の共通の考えでした。
そんな経緯もあり、5月の終わりに伊坂さんから「ポテチ」映画化の相談を受けたときは驚きました。
ただ3.11以降、何度か救援物資の運搬などで東北に足を運ぶなかで、映画監督として元気を与える作品を送りたい、という気持ちが強くなっていたこと、そして過去の作品でお世話になった仙台という街にまだ御礼ができていなのでは、という想いもあり、「ポテチ」の映画化に取り掛かることに迷いはありませんでした。
そしてこれは今すぐに撮られるべき作品だと思いました。
過去の作品同様、気負うことなく、街で暮らす普通の人たちの生活、息遣いを作品の中で表現したいと思いますが、「撮影に来てくれるだけで嬉しい」と言っていただいている仙台の皆さんの気持ちに応えるためにも、いま現在の仙台の街並を映していきながら、仙台に限らず、映画を見た人すべてに、少しでも勇気を与えられるような作品にしたいと思います。